不動産を売却検討する前に、いつもしておくと良いことの一つに上がってくる「測量」。今回その測量がどうしてそんなに必要か、簡単に説明します。
売主様の中には「なぜ、わざわざ高い費用を払ってまで測量をする必要があるのか?」という疑問を頂かれる方は多いと思います。ただ不動産取引においては非常に重要です。
理由は大きく分けて「取引の安全」「お金(資産価値)」「将来のトラブル防止」の3点に集約されます。
1. 「登記簿」と「現実」がズレているから
日本の古い土地の多くは、明治時代の地租改正(明治初期の測量)などのデータがそのまま登記簿に残っているケースが珍しくありません。
- 昔の測量: 縄などを使って手作業で測っていたため、誤差が大きい。
- 今の測量: レーザーやGPSを使い、ミリ単位で正確。
測量をしないと、「公図(役所の地図)では100㎡なのに、実際は90㎡しかなかった」ということが平気で起こります。これを防ぐのが測量です。
2. 正確な「価格」を決めるため
土地は「1㎡あたりいくら」という単価で取引されます。
- もし測量をせず、登記簿の面積(100㎡)で契約した後に、実測で90㎡だと判明したら、買主は「10㎡分、払いすぎた!」と怒りますよね。
- 逆に、実は110㎡あったとしたら、売主は損をすることになります。「本当のサイズ」を確定させることは、公平な金額で売買するために不可欠です。
3. 隣人との「境界トラブル」をゼロにするため
土地の境界が曖昧だと、将来的に以下のような揉め事が発生します。
- 「あなたの家のフェンス、うちの敷地にはみ出しているよ」
- 「建て替えをしたいけれど、どこまでが自分の土地かわからないから設計できない」
- 「相続したけれど、隣の人と境界の認識がズレていて売却できない」
「境界確定測量」を行い、お隣の方と「ここが境界です」とハンコを押し合った図面(確定測量図)があれば、それは法的・客観的な証拠になり、子や孫の代まで安心が続きます。
4. 銀行のローン審査に通るため
土地を担保にお金を借りる(住宅ローンを組む)際、銀行は「担保価値が確かなものか」を厳しくチェックします。
境界が不明確な土地は「売却しにくい=担保価値が低い」とみなされ、測量を条件にしないと融資が降りないケースがほとんどです。
測量が必要なタイミングまとめ
| タイミング | なぜ必要なのか |
| 土地を売るとき | 買主が安心して買えるようにし、正確な価格で売るため。 |
| 建物を建てるとき | 敷地ギリギリまで有効活用し、建築確認を正しく通すため。 |
| 土地を分けるとき(分筆) | 1つの土地を2つに分けて登記するには、正確な測量が必須。 |
| 相続したとき | 後の世代にトラブルを残さないため、境界をハッキリさせておく。 |
まとめ
測量は、単に長さを測る作業ではなく、「その土地の価値を保証し、法的な権利を守るための証明書」を作る作業だと言えます。売却後のトラブル発生は一番出てきてほしくないもの。この証明があれば、安心が得られると思うともしかしたらそんなに高くない費用に映るかもしれません。不動産売却を検討している土地所有者の方はご自分の持たれている土地について測量が完了しているかどうか、一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
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